新卒で看護師を辞めた私が、半年後に「転職して本当によかった」と思えた理由
「朝、涙が止まらなかった。もう一歩も歩けないと思った。」
これは、私が看護師1年目、まだ春も終わらない頃に感じた本音です。
あなたは今、こんなふうに感じていませんか?
- 毎日怒られてばかり。私は看護師に向いてないんじゃ…
- 新卒で辞めたらもう次の職場なんてないかも…
私も、まさにそう思っていました。
入職先は誰もが憧れる大学病院。でも配属されたのは、常に人手不足の救急病棟でした。ナースコールは鳴り止まず、先輩たちの視線はいつも厳しく、食事も休憩も後回し。23時近くに帰宅して記録業務。翌朝にはまた同じ地獄が始まります。
「辞めたいけど、甘えだと思われる…」と自分を責め、夜中に枕を濡らす日々。そんなとき、「もう私はダメかもしれない」と本気で思いました。
ある晩、涙に濡れたまま転職サイトに登録。すると転職サービスの担当者が、まるで心のカウンセラーのように私の話を丁寧に聞いてくれました。そして言われたのです――
自分を責めないでください。合わないだけ。それはあなたのせいじゃない。
その一言が、まるで光のように胸に刺さりました。目の前の霧が晴れるように、私は次の一歩を踏み出す勇気を得たのです。
地域密着型の急性期病院を見学した日、師長さんは「無理しなくていいからね」と優しく声をかけてくれ、先輩看護師たちは「わからないことがあったらいつでも聞いて」と笑顔で言ってくれました。面接の帰り道、私は初めて「ここで働きたい」と心から思えました。
転職後の日々は劇的に変わりました。朝は8:30出勤、17:15退勤。プリセプター制度が整っていて、無理なく学べる。そして、何より患者さんとの時間がゆったり確保でき、「ありがとう」と感謝される瞬間が毎日のモチベーションに。今なら胸を張って言えます――「看護師になって本当によかった」と。

新卒看護師の3人に1人が転職を考える時代
厚生労働省と日本看護協会の最新データによると、看護職全体の離職率は約11.3%、新卒者に限ると約8.8%と、実に10人に1人が1年以内に職場を去っています。
さらに、3年以内で離職する若手看護師は約38.8%に上り、全産業平均(32.3%)を上回っています。
このことから、新卒ですぐに転職を決断するのは珍しいことではなく、多くの人が通る道であるとわかります。
なぜ新卒で看護師を辞めたのか?よくある理由とは
配属先とのミスマッチ
希望とは違う診療科に配属され、やりがいや仕事内容に疑問を持つ人は少なくありません。
激務・人間関係・教育体制への不満
ナースコールが鳴りやまない救急では、夜勤・休日出勤で心身を摩耗し、人間関係や研修不足による不安も重なります。
理想とのギャップ
「患者さんに寄り添いたい」という思いとは裏腹に、現場は忙殺の日々。自分の看護観との乖離にショックを受けることがあります。
精神的・健康面への負担
日本看護協会の調査では、新卒離職の主な理由として「精神的疾患(52.5%)」「適性への不安(47.4%)」といったメンタル面の負荷が示唆されています。
「すぐの転職」で見えた世界|体験談に学ぶキャリア成功のヒント
実際に転職した新卒看護師の声
「毎日が楽しくなった」「ちゃんと患者さんと向き合えるようになった」など、辛い環境から抜け出して救われたと感じる人は多くいます。
若いうちの柔軟性がチャンスに
柔軟さと吸収力にあふれる若手は、新しい職場環境にも順応しやすく、視野が広がるチャンスです。
「早すぎる転職」が後悔につながらないための注意点
転職の目的を明確にしよう
「辞めたい理由」と「これからどうなりたいか」を整理することで、ミスマッチを防ぐことができます。
職場選びではここをチェック!
- 教育制度の充実度
- 雰囲気(見学や面接時の空気感)
- 残業時間の実態
- キャリア支援やフォロー体制
転職エージェントの活用メリット
医療業界に特化したエージェントは、非公開求人や面接対策、年収交渉など、心強い支援を提供してくれます。
「辞めてよかった」と思える未来を描くには?
自己分析とキャリアの棚卸し
これまでの経験を振り返り、自分の価値観や強みを言語化することで、職場選びの軸を明確にします。
働きやすい職場の条件を可視化
「残業が少ない」「教育体制が整っている」「風通しが良い」など、譲れない条件と妥協点を整理しましょう。
長期的視点でキャリアビジョンを描く
5年後、10年後にどうなっていたいか。それを軸に逆算して職場選びをすると、軸がぶれません。
まとめ:転職はキャリアを諦めることではない、再スタートの一歩
新卒で辞める選択は、不安が伴いますが、それは「逃げ」ではありません。むしろ、自分に合った環境を探すための、前向きな一歩です。メンタルや体調が限界なら、自分を守る選択こそが正しい。
まずは信頼できる人に話すことから始めましょう。その先に「看護師になってよかった」と言える未来が待っています。