「夜勤明けの朝7時。薄明るい空を見上げながら、私はバス停で立ち尽くしていました」
そんな切実なつぶやき、あなたも心のどこかで感じていませんか？
三交代制の急性期病棟で、夜勤は月に10回以上。休みは月にわずか6日。仕事に追われる日々の中で、ふと「私はこのままでいいのかな…」と立ち止まってしまう看護師さんは、決して少なくありません。
今回ご紹介するのは、まさにそんな葛藤の中にいた看護師さんが、思い切って「ワークライフバランス重視」の働き方にシフトしたリアルな体験談です。
「辞めたい」とすら言い出せず、キャリアや周囲の目を気にして自分を押し込めていた彼女に届いたのは、母からの何気ない一言でした——「あなた、最近まったく笑ってないよ」。
この言葉に涙があふれ、看護師専門の転職サポートに登録。電話口で「生活と仕事、両方大切にしたいんですね。そういう働き方、ちゃんとありますよ」と言われた瞬間、思わず泣きそうになったといいます。
転職後の彼女は、療養型の地域病棟で二交代・残業ほぼなしの職場へ。毎朝自然と目が覚め、朝ごはんを作ってから出勤。夕方には帰宅して料理を楽しみ、週末は友人や家族と過ごすゆとりのある毎日を手に入れました。
「こんな看護をしたかったんだ」と実感する日々。今では「人生でいちばん穏やか」と笑顔で語ります。
もちろん、収入が少し減ったり、新しい職場に慣れるまでの不安はあったそうです。でも、それ以上に「自分の時間を持つ」ことの価値は大きかったといいます。
もし今、あなたが「看護師 ワークライフバランス」「夜勤疲れた」「働き方を変えたい」と検索しているなら——
この体験談が、あなたの一歩を後押しするきっかけになるかもしれません。
看護師が抱えるワークライフバランスの現状とは？
夜勤・長時間労働がWLBを崩す主因に
不規則勤務による生活リズムの乱れ
看護師のシフトは三交代・二交代制などが一般的で、勤務時間が日々変わることが多く、体内リズムが乱れやすいです。夜勤明けの昼間に眠っても深く眠れず、慢性的な疲労が蓄積されがちです。これにより、日常生活の質が低下しやすくなります。
有給休暇取得率が低い実態
看護業界では人手不足の影響もあり、有給を取りづらい職場がまだ多くあります。制度上は取得可能でも、現場の空気や人間関係がそれを阻むことも。「誰かが休めば、誰かが余計に働かなきゃいけない」という暗黙のプレッシャーが根強く残っています。
人手不足と慢性的な業務過多の影響
シフトの柔軟性が確保できない理由
常に人手が足りない現場では、希望休の取得すら難しくなる場合もあります。人が少なければ、当然その分の業務は既存スタッフにのしかかり、業務が終わらず残業が常態化してしまいます。
職場の人間関係がストレス要因になることも
忙しい現場では、業務が回らないイライラが人間関係にも影響しやすくなります。新人教育に時間を割けないまま、フォロー不足によるトラブルも起きやすく、心理的な負担も増大します。
WLBを整えたい看護師におすすめの働き方
訪問看護は自由度が高くWLB向き
夜勤なし・直行直帰の利点
訪問看護は日勤のみで夜勤がなく、基本的に直行直帰が可能なため、自宅での時間をしっかり確保できます。利用者宅を回るスタイルなので、移動中に気分転換できるという意外なメリットも。
訪問看護ステーションの選び方
訪問件数や担当エリア、教育体制などは事業所によって大きく異なります。まずは事前に見学し、スタッフの雰囲気や業務の流れを確認するのが大切です。WLB重視なら、残業の有無とチームのサポート体制は要チェックです。
夜勤なしの日勤常勤求人を狙う
医療機関よりも施設系が狙い目
特養や老健、デイサービスといった福祉施設では夜勤なし・残業少なめの職場が増えています。医療行為が比較的少なく、精神的なプレッシャーも少ない傾向があります。
転職サイトでWLBを重視した検索方法
「日勤のみ」「残業なし」「年間休日120日以上」などの条件で絞り込むと、自分のライフスタイルに合った職場が見つかりやすくなります。エージェントに直接相談すると、希望に沿った非公開求人を紹介してもらえることも。
転職・職場選びで見るべきワークライフバランスの指標
有給取得率・離職率・残業時間に注目
病院の公開情報をチェックしよう
厚生労働省の情報や病院ホームページに掲載されている実績値（有給取得率、離職率など）は、職場選びの大事な判断材料になります。福利厚生欄やQ&Aに「働きやすさ」への記載があるかも確認しましょう。
内部のリアル情報は口コミがカギ
実際に働いていた看護師の声を参考にできる転職サイトの口コミ欄は非常に有益です。「制度はあるけど使いづらい」「時短勤務が実際は歓迎されていない」などのギャップも事前に見えてきます。
実際の制度と“使える環境”は違う
制度があっても雰囲気で使えない職場も
制度が整っていても「育休は取れるけど、戻る場所がない」「時短勤務は制度上はあるけど利用実績ゼロ」など、制度と実態に差がある職場は多く存在します。制度だけで判断せず、実際に使える雰囲気かを確認しましょう。
見学や面接で確認すべき質問リスト
「有給はどれくらい取れていますか？」「残業は月平均どの程度ですか？」「子育て中のスタッフはいますか？」など、面接時にリアルな声を聞ける質問を準備しておきましょう。見学中のスタッフの表情も貴重な判断材料です。
看護師がワークライフバランスを保つための自己管理術
シフト調整力・時間管理スキルを高める
ライフイベントに応じた働き方の選択を
結婚・出産・介護などのライフイベントに合わせて勤務形態を柔軟に変えることは、長く看護師として働くためのポイントです。日勤常勤への転向や、パート勤務など自分に合った働き方を選びましょう。
週ごとのスケジュールで“余白”を確保
毎週の予定をあらかじめゆとりを持って立てることで、突発的な予定に左右されず、自分の時間を確保できます。スケジュールアプリや手帳を活用して、意識的に“余白”を作ることが大切です。
心身のセルフケアを習慣化する
メンタルヘルスとWLBの深い関係
過度なストレスや疲労は、心身のバランスを崩しやすく、仕事へのモチベーションも下がってしまいます。定期的なリフレッシュや、感情を吐き出せる相手の存在がメンタル維持には欠かせません。
「やりがい」ではなく「持続性」を重視
「やりがい」はもちろん大切ですが、持続可能な働き方でなければ、看護を続けること自体が難しくなります。自分の体と心に無理がないか、定期的に見直して調整することが、結果的に良い看護にもつながります。
