「看護師って、いつから“自分を犠牲にする仕事”になったんだろう…」
毎日のように続く残業、休憩もまともに取れないシフト、患者さんへの責任の重さ――。 気がつけば、自分の心や体を後回しにして働いていませんか？
そんな中で、「もっと自分を大切にしたい」「このままでは続けられない」と感じ、転職を考える看護師さんが増えています。
とはいえ、「転職しても状況は変わらないかも」「甘えだと思われたくない」と一歩を踏み出せずに悩む方も多いはず。
この記事では、実際に“自分を大切にできる働き方”を見つけた看護師さんのリアルな体験談と、後悔しない転職のためのポイントを徹底解説していきます。
「自分らしく看護を続けたい」あなたのために、心と体を労わる選択肢を一緒に探していきましょう。
看護師が転職して「自分を大切にできた」話｜限界から再生までのリアル記録
「このままじゃ、私、壊れる。」
当時の私は、誰にも言えず、声にも出せず、心の中でそうつぶやいていました。
東京都内の三次救急病院で働いていた頃、私の日常はまるで戦場のようでした。夜勤は月8回を超え、休憩はナースステーションで取れるかどうかも怪しい。昼食を食べ損ねる日が続き、生理は止まり、慢性的な吐き気と頭痛に襲われていました。
患者さんには常に笑顔で接していたけれど、ナースコールの音が鳴るたび、胃がキュッと縮こまり、心がすり減っていくのを感じました。プライベートの時間は皆無で、帰宅しても寝るだけ。自分の存在が“働くためだけ”にあるように思えてしまっていたのです。
そんな生活を3年も続けたある日、ナース服を手に取ろうとした瞬間、手が震え、何の前触れもなく涙が止まらなくなりました。「もうダメだ」と、心が音を立てて崩れていくような感覚。それが、私が転職を決意した瞬間でした。
見つけたのは「心が呼吸できる場所」
その夜、ベッドに横たわりながらスマホで転職サイトを見ていた私は、意を決して看護師専門の転職サービスに連絡しました。初めてのことで不安でしたが、担当してくれた方はとても親身で、まるで昔からの友人のように私の話を聞いてくれました。
「あなたが悪いんじゃないです。環境が合ってなかっただけです。」
その一言に、私は救われました。思えばずっと、自分を責めてばかりいたんです。「もっと頑張らなきゃ」「弱音を吐いたら負け」と、自分に厳しくし続けた結果、心も体も限界を迎えていたのだと気づきました。
「自分を大切にしたい」と伝えると、担当者は私にぴったりのクリニックをいくつか紹介してくれました。その中でも心に響いたのが、「週休3日制＋外来のみ」「職場内でハラスメントゼロを掲げる」理念のあるクリニック。初めて、条件ではなく“価値観”で職場を選びたいと思った瞬間でした。
転職後、自分が「生き返った」と感じた瞬間
新しい職場で迎えた最初のランチタイム。驚いたのは、職員全員でお弁当を囲んでの雑談タイムが設けられていたことでした。誰かが気軽に「〇〇さん、今週の患者さん元気だったね」と話しかけ、他のスタッフも笑顔で答える——そんな温かな空気が職場に満ちていました。
それまでの私は、昼食をデスクでかきこむのが当たり前だったので、こうした余白のある時間がどれほど貴重で、心を潤すものなのか、思い知らされました。
勤務時間は週35時間、夜勤なし。年収は20万円ほど下がりましたが、その代わりに得たものはあまりにも大きかった。通勤途中に空を見上げる余裕、好きな本を読む時間、そして何より、「私はこのままでいい」と思える安心感。
自分を責めずに、自分のペースで看護を続けられる——その当たり前が、私には一番必要だったんです。
まとめ：看護師こそ「自分を大切にできる転職」を
もし今、仕事に追われ、自分を見失いそうになっている看護師さんがいたら、どうか伝えたい。
転職は「逃げ」じゃありません。「再スタート」の選択肢です。苦しい環境から離れることは、弱さではなく、強さです。
私がそうだったように、あなたも「自分を大切にできる働き方」は、きっと見つかります。
自分の心と体を守ることが、看護の質を高めることにもつながります。今のあなたが笑顔でいること、それが何より、患者さんへの最大のケアになるのです。
