「ママ、今日も夜いないの？」
夜勤の支度をしていたある晩、娘の小さな声が胸に突き刺さりました。
私は10年間、総合病院の病棟で働いてきた看護師です。夜勤や休日出勤が当たり前の日々。気づけば家族と過ごす時間がどんどん削られ、「何のために働いているのか」と、自問することが増えていました。
そんな中、「看護師でも在宅勤務ができる求人がありますよ」と転職エージェントに言われた瞬間、心に光が差した気がしたんです。「在宅勤務？ 看護師が？ まさか…」と、最初は半信半疑でした。
でも、実際に紹介された職種は、どれも「看護師としての経験を活かしながら、自宅で働ける」ものばかり。オンライン健康相談、医療ライター、健康保険組合の遠隔指導など、その選択肢の多さに驚きました。
私はその中から「企業向け健康相談員」を選びました。現在は、平日9:00〜17:00の在宅勤務。夜勤も残業もなく、家族と過ごす時間が1日5時間以上確保できています。チャットや電話を通じて、社員の健康やメンタルの悩みに寄り添う仕事は、自分のスキルを新しい形で活かせている実感があります。
もちろん、最初はITツールへの戸惑いや、患者と対面しないことへの不安もありました。でも、丁寧な研修やチャットサポートがあり、病棟での経験も大きな支えになりました。
「このままでいいのかな…？」と悩んでいる方へ、私から伝えたいのは、「看護師の働き方には、もっと自由があっていい」ということ。転職サービスに登録してみるだけでも、思いがけない選択肢に出会えるかもしれません。
転職から半年。今では、娘に「ママ、今日も一緒にごはん食べれる？」と笑顔で言われるようになりました。
あのとき勇気を出して本当によかったと、心から思っています。
看護師が在宅勤務に転職するという選択肢
「看護師は現場にいてこそ」というイメージ、ありませんか？ 実は最近、その常識が変わりつつあります。コロナ禍をきっかけに、医療・介護業界でも在宅勤務が注目されはじめ、看護師の新しいキャリアとして徐々に定着してきているんです。
実際に、健康相談・保健指導・医療ライティング・カスタマーサポートなど、専門知識を活かしながらも現場に出ずに働ける職種が増えてきています。どれも「看護師資格を持っているからこそできる」仕事ばかり。
特に子育て中の方や、介護・通勤ストレスに悩む方にとって、在宅勤務は時間と心に余裕をもたらす選択肢となっています。
でも、「本当にそんな働き方ができるの？」「求人ってあるの？」と不安に思う気持ちもわかります。そこでここからは、在宅勤務の現実や職種例、向き・不向きについて具体的に解説していきます。
通勤や夜勤から解放される新しい働き方
看護師の仕事といえば、夜勤や早朝勤務が当たり前。加えて長時間の立ち仕事、突然のシフト変更…。体力的にも精神的にもハードな日常に、「いつまで続けられるんだろう」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、「通勤も夜勤もない働き方」として注目されているのが、在宅勤務です。毎朝の満員電車や、子どもを預けるタイミングにバタバタすることもなく、自宅で落ち着いて仕事をスタートできます。
たとえば、企業に所属して社員の健康をサポートする「オンライン健康相談員」は、平日9:00〜17:00勤務で、チャットや電話を通じて体調やメンタルの相談に対応する業務。自分のリズムで働けるうえ、患者さんにじっくり向き合えるのが魅力です。
「夜勤で生活リズムが崩れていた」「子どもと過ごす時間がとれなかった」そんな悩みを抱えていた方にとって、在宅勤務は人生そのものを見直す大きなきっかけになるかもしれません。
実例から見る看護師の在宅ワークパターン
「看護師が家で働くなんて、本当にできるの？」と疑問に思う方もいるかもしれません。でも、実際にはすでに多くの看護師が在宅での働き方に移行し、それぞれのライフスタイルに合わせて活躍しています。
たとえば、ある30代のママ看護師は、企業向けの健康相談サービスに転職。チャットや電話で「頭痛が続いていて不安」「ストレスで眠れない」といった悩みにアドバイスを行い、病院受診が必要かの判断をサポートしています。勤務は平日9時〜17時、残業なし。家事・育児と無理なく両立できる働き方です。
別の事例では、医療系のWebライターとして活躍している元看護師もいます。医療記事の執筆や監修を自宅で行い、自分のペースで案件を選べる自由度の高さが魅力。文章力や専門知識を活かした副業からスタートし、現在は本業として成り立たせているケースも。
その他、保健指導や特定健診に関わる遠隔業務、医療ベンチャーのカスタマーサポートなども選択肢として注目されています。いずれも看護師としての経験が強みとなる仕事ばかりです。
転職先の候補となる在宅勤務の職種一覧
「どんな仕事があるの？」と気になる方のために、在宅勤務が可能な看護師向け職種を一覧でご紹介します。ここで紹介するのは、実際に求人として掲載されていた職種や、在宅で活躍している看護師の多い分野です。
- オンライン健康相談員：企業の社員に対し、電話やチャットで体調・生活習慣の相談に応じます。
- 医療ライター・監修業務：医療メディアや企業サイトのコンテンツ制作を担当。専門知識が活かせます。
- 健康保険組合の遠隔保健指導：生活習慣病予防や特定保健指導を、Zoomなどを使って自宅から実施。
- 医療系コールセンター：製薬会社や自治体の相談窓口で、健康や薬に関する問い合わせに対応します。
- 医療ベンチャーのカスタマーサポート：サービス利用者の対応や、看護師目線のサポート業務に携わります。
これらの職種はすべて、看護師資格や現場経験が強みになります。「今の仕事で身につけたスキルは在宅でも活かせる」ことを知っていただければと思います。
メディカルライターや保健指導などの実態
在宅勤務の選択肢として人気の高い「メディカルライター」や「保健指導」。聞き慣れない言葉かもしれませんが、どちらも看護師の経験を存分に活かせる仕事です。
メディカルライターは、医療や健康に関する記事や資料を執筆・監修する仕事。内容は、医療機関のホームページや健康情報メディア、製薬会社のパンフレットなど多岐にわたります。求められるのは、わかりやすく、かつ正確に情報を伝える力。文章力が必要ですが、文章が得意でなくてもテンプレートやマニュアルが用意されている案件もあります。
一方、保健指導は、健康保険組合や自治体などが実施する「特定保健指導」をリモートで行う業務です。Zoomや電話を通じて対象者に健康アドバイスを行い、生活改善のサポートをします。相手の話を丁寧に聞き、モチベーションを引き出すスキルが求められる仕事です。
いずれの職種も、時間の融通がききやすく、子育て中の方や副業希望者にも人気があります。最初は業務委託からスタートし、実績を重ねて本業にシフトする方も多いのが特徴です。
向いている人・向いていない人の特徴
在宅勤務は魅力的な働き方ですが、すべての人にとってベストとは限りません。実際に働いてみて「自分に合っていた」「ちょっと合わなかった」という声も多く、向き・不向きを把握することはとても大切です。
まず、向いている人の特徴としては：
- 自己管理ができる（時間の使い方や業務の進行）
- PCやツールに抵抗がなく、学ぶ意欲がある
- 一人でも黙々と作業するのが苦にならない
- 家庭や副業との両立を重視したい
反対に、向いていない人の特徴は：
- 常に人と接していないと落ち着かない
- 自己判断に自信が持てず、不安を感じやすい
- IT機器やツールに強い苦手意識がある
- 業務をサボりたくなるタイプ（自己管理が難しい）
ただし、「今は向いていないかも」と感じていても、意識や環境が変われば十分に適応できる場合もあります。特にサポート体制が整っている企業なら、最初は不安でも徐々に慣れていけるはずです。
スキル・性格・環境の3つの観点から分析
在宅勤務の向き・不向きは、単に「できる／できない」ではなく、「どんなスキルを持っているか」「どんな性格か」「どんな環境にいるか」で大きく左右されます。それぞれの視点で、自分に合うかを見てみましょう。
①スキル面：基本的なパソコン操作（Word、Excel、メール）やチャットツールの使用経験がある人は、在宅ワークへの適応がスムーズです。また、文章を書くのが好きな方や、保健指導の経験がある方はそのまま業務に活かせます。
②性格面：計画的に作業を進められる人、自己解決力がある人、一人の時間を楽しめる人は在宅勤務に向いています。逆に、「誰かと常に相談しながら進めたい」「現場の雰囲気が好き」というタイプの方は物足りなさを感じることも。
③環境面：自宅に集中できるスペースがあるかどうか、家族の協力が得られるかも重要です。とくに小さなお子さんがいる家庭では、勤務時間中のサポート体制が鍵になります。
このように、3つの視点から自分の現状をチェックすることで、後悔の少ない転職判断につながります。
在宅勤務を可能にする看護師向け転職先とは？
「看護師＝現場勤務」というイメージをくつがえすような、在宅勤務が可能な求人が近年どんどん増えてきています。特にコロナ禍以降、医療従事者の働き方改革が進み、企業や自治体も「看護師の専門性を活かしたリモートワーク」に注目するようになりました。
とはいえ、「どんな求人があるのか？」「どう探せばいいのか？」といった疑問も多いはず。ここからは、在宅勤務を実現できる具体的な求人の特徴や探し方、実際に転職した人のリアルな声まで詳しく紹介していきます。
在宅勤務可能な看護師求人の特徴
「在宅OK」の看護師求人と聞くと、まだまだ珍しい印象を持つかもしれません。でも実は、特定の条件を満たせば十分に現実的。最近では、病院や訪問看護ステーションに加え、企業・保険組合・医療系メディアなどからも在宅ワークの求人が出ています。
在宅勤務が可能な求人の多くには、以下のような特徴があります：
- 電話・チャット相談など非対面業務が中心（オンライン健康相談、コールセンターなど）
- 業務委託・契約社員・正社員など雇用形態が多様（副業希望にも対応）
- パソコン・通信環境が整っていることが条件（貸与されるケースもあり）
- 実務経験3年以上が目安（特定保健指導や医療ライターなど）
また、給与面では「時給制」の案件が多く、時給1,500円〜2,500円程度が相場。スキルや実績に応じて単価アップや継続依頼も期待できます。福利厚生については、正社員以外では限定的なこともあるため、契約内容の確認はしっかり行うようにしましょう。
正社員・業務委託・副業それぞれの違い
在宅勤務の看護師求人は、雇用形態によって働き方や待遇が大きく異なります。それぞれの違いを把握して、自分に合ったスタイルを選ぶことが大切です。
■正社員：
企業や自治体の社員として雇用され、週5日・フルタイムで働くスタイル。給与や福利厚生が安定しており、研修やサポート体制も充実しているのが魅力です。社会保険完備、有給あり、昇給ありの求人も。ただし、勤務時間が固定されるため、柔軟性にはやや欠けることも。
■業務委託：
フリーランス契約に近く、報酬は案件ごとまたは時給ベースで支払われます。勤務日・時間を自分で調整しやすく、副業にも適していますが、自己管理能力が求められます。社会保険や有給は基本的になし。医療ライターや保健指導などに多い形態です。
■副業：
本業と並行して働けるため、収入を増やしたい方やスキルを広げたい方におすすめ。特にメディカルライティングや短時間の電話相談業務は副業向きです。契約は業務委託が多く、空き時間を活用できる一方、安定収入にはつながりにくい側面もあります。
自分のライフスタイルや収入目標に合わせて、最適な働き方を選ぶことが成功のカギです。
求人の探し方と注意点
在宅勤務の看護師求人は年々増えているとはいえ、まだ数は限られており、見つけるにはちょっとしたコツが必要です。以下の方法を組み合わせて、効率よく探していきましょう。
■求人サイトで「在宅」「リモート」などのキーワード検索
ナース人材バンク、看護roo!、マイナビ看護師などの求人サイトでは、条件絞り込み機能を使って「在宅」「テレワーク」などのキーワードで検索できます。ただし、在宅は一部業務のみの場合もあるので、内容をよく確認しましょう。
■転職エージェントに相談して非公開求人を紹介してもらう
在宅勤務に対応した求人は、非公開や限定公開で扱われていることも。転職エージェントを活用すれば、自分の希望条件に合う案件を効率よく紹介してもらえます。
■企業の採用ページを直接チェック
医療系ベンチャーや保険組合などの公式サイトに「在宅勤務歓迎」の求人が載っていることもあります。業界のトレンドやニーズを知るためにも、定期的なチェックがおすすめです。
■注意点：
「完全在宅」と書かれていても、実際は月1回出社が必要だったり、一定の勤務経験が求められることもあります。契約形態・勤務時間・報酬体系など、曖昧な点は必ず確認し、納得のうえで応募しましょう。
求人サイト・エージェント活用のコツ
在宅勤務OKの看護師求人を効率よく見つけるには、求人サイトと転職エージェントをうまく活用するのがポイントです。それぞれの特徴と、使いこなすためのコツをご紹介します。
■求人サイトの活用術：
まずは、看護師専門の求人サイト（例：ナース専科、看護のお仕事）で「在宅」「リモート」「テレワーク」などのキーワードを入れて検索してみましょう。「業務内容」「雇用形態」「勤務時間」の欄も細かくチェックして、自分の条件に合うか確認することが大切です。
また、定期的に新着求人をチェックすることで、人気のある案件を見逃さずに済みます。気になる求人は「お気に入り登録」しておくと便利です。
■エージェントの活用術：
「どんな求人が自分に合っているか分からない」「条件交渉が苦手」という方には、転職エージェントの利用がおすすめ。担当者が希望をヒアリングしたうえで、非公開求人や条件に合った求人を提案してくれます。
さらに、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、条件交渉などもサポートしてくれるため、初めての在宅転職でも安心。複数のエージェントに登録し、比較しながら進めるのも有効な方法です。
実際に転職した人の声
「本当に在宅で看護師の仕事ができるの？」と思う方にこそ知ってほしいのが、すでに転職して在宅勤務を実現している人たちの声です。リアルな体験談から、その働き方のメリットやギャップが見えてきます。
ある40代の看護師は、保健組合のオンライン相談員として転職。以前は病棟勤務で月4回の夜勤に追われていたそうですが、今は平日9時〜17時の在宅勤務で、家族との時間が格段に増えたといいます。「子どもと毎日夕食を囲める生活がこんなに幸せだとは思わなかった」との声も。
また、30代のシングルマザーは、医療系ベンチャーのカスタマーサポート職に転職。Zoomやチャットでユーザー対応をしながら、育児と両立。最初は「ITツールが不安だった」と話していましたが、丁寧な研修とマニュアルに助けられて徐々に慣れていったそうです。
共通しているのは、「最初は不安だったけど、思い切ってチャレンジしてよかった」と感じている点。在宅勤務は、働き方の選択肢を広げるだけでなく、人生そのものに新たな可能性をもたらしてくれるのかもしれません。
在宅ワークの満足度とギャップ
実際に在宅勤務に転職した看護師の多くは、「満足している」と答えています。その理由としてよく挙がるのが、「通勤がなくなったことで体力と時間に余裕ができた」「家族との時間が増えた」「人間関係のストレスが減った」など、生活全体が整ったという声です。
また、自宅で静かな環境の中、じっくりと相談対応や資料作成ができるため、「現場よりも自分らしく働ける」と感じる人も少なくありません。特に、もともと文章を書くのが得意だった人や、傾聴スキルに自信がある人にとっては理想的な働き方です。
ただし、すべてが完璧なわけではありません。最も多いギャップとしては、「誰とも会話しない日がある」「フィードバックが少なく孤独を感じる」「オンとオフの切り替えが難しい」といった声。特に、周囲の人と直接やり取りすることで活力を得るタイプの人には、物足りなさを感じることもあります。
このように、在宅ワークには満足できる点と、あらかじめ理解しておくべきギャップの両方が存在します。自分にとって何を優先したいかを明確にしておくことで、後悔のない選択ができるはずです。
看護師が在宅勤務で失敗しないためのポイント
魅力的に見える在宅勤務ですが、何も準備せずに飛び込むと「こんなはずじゃなかった…」と感じることも。特に看護師という専門職だからこそ、転職前に知っておきたい注意点や準備すべきことがあります。
ここからは、在宅勤務を成功させるために押さえておくべきポイントを、収入・業務内容・心の準備・スキルアップの4つの視点から解説していきます。
これを知っておくだけで、ミスマッチのリスクを減らし、あなたに合った在宅ライフをスムーズに始めることができるはずです。
収入面・業務内容の事前確認が重要
在宅勤務を検討する際、多くの人が気になるのが「収入ってどのくらい？」という点。確かに、現場勤務と比べると給与体系が異なるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
たとえば、業務委託契約では「時給制」や「1件あたりの報酬」となるケースが多く、勤務時間や対応件数によって月収が大きく変動します。時給相場はおおよそ1,500〜2,500円ですが、経験やスキルによって上下します。
また、仕事内容も「オンライン相談」「資料作成」「チャット対応」など多岐にわたるため、自分が希望するスタイルと合っているかの確認も重要です。「電話中心なのか？チャットがメインなのか？」「マニュアルは整っているか？」といった具体的な情報は、求人票だけでなく面談でもしっかり質問しておきましょう。
さらに、報酬以外にも、「交通費は支給される？（一部出社ありの場合）」「PCやWi-Fiは支給される？」「研修期間中の報酬はどうなる？」など、細かい条件も事前に整理しておくことで、ミスマッチを防ぐことができます。
契約前に確認すべき5つのチェックポイント
在宅勤務の看護師求人に応募する際、事前に確認しておくべきポイントは意外と多くあります。後から「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、以下の5つは必ずチェックしておきましょう。
- ① 勤務形態と時間の明確さ
完全在宅か、一部出社が必要か。勤務時間帯、曜日の固定有無も要確認。 - ② 報酬体系と支払条件
時給制・固定報酬・出来高などの種類と、支払いサイト（締め日・支払日）を確認。 - ③ 使用するITツールの環境
必要な機器（パソコン、ヘッドセット、Wi-Fi）や、支給の有無、推奨スペック。 - ④ サポート体制の有無
マニュアル、研修、相談窓口の有無や、初期対応のフォロー体制を確認。 - ⑤ 業務範囲の明確化
どこまでが自分の仕事か、グレーゾーンはないか。トラブル対応の責任範囲なども要チェック。
これらの情報は、求人票にすべて書かれていないこともあるため、面談時にしっかり質問しましょう。納得できる条件で契約することが、安心して在宅勤務を始める第一歩になります。
在宅勤務でありがちな悩みとその対策
在宅勤務はメリットが多い一方で、「実際に働いてみたら想像と違った…」という声も少なくありません。事前にありがちな悩みを知り、対策を講じておくことで、より快適なリモートワークが実現できます。
■孤独感や閉塞感
一人で黙々と仕事をする時間が長くなると、「誰とも話さない日がある」「相談できる人がいない」と感じやすくなります。これに対しては、定期的にWeb会議やチャット交流がある職場を選ぶ、仕事終わりに意識的に人と会う予定を入れるなどの工夫が有効です。
■オンオフの切り替えが難しい
自宅での仕事は、気を抜くと生活との境目があいまいになりがち。「つい家事を優先してしまう」「逆にずっと仕事モードから抜け出せない」という声もあります。仕事スペースを明確に分ける、始業・終業のルーティンを作るなど、環境の整備が鍵となります。
■自己管理が必要
勤務中の進行管理やスケジュール調整は自分次第。だらけてしまう日が続くとパフォーマンスも下がります。ToDoリストやタイムトラッキングツールを活用して、自分なりの管理術を確立していきましょう。
「あらかじめ知っておく」ことで、在宅勤務でのつまずきを減らし、長く続けられる働き方に変えていくことができます。
孤独感・やりがいの低下を防ぐ方法
在宅勤務の看護師が抱えやすい悩みの一つに「孤独感」と「やりがいの喪失」があります。対面で患者と接する機会がなくなると、仕事の手応えや感謝の言葉を感じづらくなり、「自分の仕事に意味があるのか？」と悩むことも。
そんな時は、定期的な振り返りと人との接点を意識的に作ることが大切です。
- 週ごと・月ごとに「どんな相談に対応したか」「どんな成果があったか」を記録する
- 社内のチャットやミーティングで、他の看護師やスタッフと交流する
- 自分の業務がどのように人の役に立っているか、フィードバックをもらう機会を設ける
また、副業や資格取得など「自分の成長を感じられる活動」を並行して行うことで、仕事へのモチベーションが保ちやすくなります。やりがいを「目の前の感謝」だけでなく、「自分自身の価値を高めること」に切り替える意識も、長く働く上でのカギになります。
スキルアップとキャリアの広がり
在宅勤務という働き方は、単なる「現場を離れる手段」ではなく、新しいキャリアを築くチャンスでもあります。看護師としての経験をベースに、新たなスキルや専門性を身につけることで、働き方の幅がぐんと広がります。
たとえば、オンライン健康相談に携わる中で、保健指導やメンタルヘルス、労働衛生に関する知識が自然と深まっていきます。こうした知識を活かして、保健師資格や産業カウンセラーなどの取得を目指す人も。
また、医療ライターやコンテンツ監修に取り組むうちに、文章力や情報発信のスキルが身につき、フリーランスとして独立する道も開けます。自分の専門分野でのオンライン講座開催や、SNSを通じた情報発信で影響力を持つ人も増えています。
「病棟しか知らなかった私が、今では企業や個人を相手にアドバイスする立場になっている」──そんな変化を実感できるのも、在宅ワークならではの醍醐味です。
